フロントフォークは、上から順に、ステアリングコラム、フォーククラウン、フォークブレードで構成されている。自転車の場合、ステアリングコラムを後方に寝かせてキャスターアングルを付けることで走行性能とハンドルの操作性を確保している。
フレームを図面上で見た場合、このステアリングコラムの延長線とフロントフォークエンドとの距離(ステアリングコラムの延長線に対してエンドから平行に引いた線との間に直角を成す距離)をオフセットと呼ぶ。オフセット量は走行性能に密接に関係している。この数値が増えるほど直進安定性が増し、数値が小さいほどクイックなハンドリングとなるが、ホイールサイズが700Cのロードの場合、現在は45mmくらいが標準的なオフセット量である。オフセットも含めて近年マスプロメーカーが市場に送り出すフレームは、時代の流れかレーシーなスケルトンとなる傾向が強い気がする。
さて、フロントフォークを走行性能という点から捉えた場合、フォークブレードもこれに大きな役割を担っている。フォークブレードは大きく分けて楕円断面と丸断面の2タイプがあって、それぞれ先端まで直線的なストレートタイプと先端が前方に湾曲しているベントタイプがある。前者の断面タイプはフォークを上から見た場合の形であり、後者の形状は横から見た場合の形である。丸断面タイプはおもにトラックレーサーに使われる。しかし、丸断面のストレートフォークのほうは、あまり一般的ではない為ほとんど見かけない。
ブレードの形状によっても走行感がずいぶんと変わってくるが、路面からの振動吸収性で、より利点があるのは楕円のベントタイプである。快適性という意味ではロードにとって大きな比重を占める振動吸収特性であるが、これは材質によってもかなり左右される。現在の主流となっているのはカーボン素材。徐々に増えてきたフルカーボンフレームはもちろんのこと、アルミフレームのフォークにもカーボンが使用されることが多い。これはアルミの弱点である路面からダイレクトに感じる振動を、非鉄金属に比べ振動減衰特性が良いカーボンの素材特性が緩和させるからである。
また、カーボンフォークは、優れた素材特性もさることながら、特殊な樹脂を混合させた複合素材のため、より剛性を高くするために成型段階で幅広い設計ができるのもメリットである。

