サンツアーは、今から15年ほど前まで、エンスーな自転車愛好家の間でシマノと人気を二分していたメーカーであった。シュパーブプロを旗艦モデルとして、サイクロンやスプリントなど、ユーザー層にあわせた部品開発を展開していた。
サンツアーは大阪にあった前田工業のブランド名である。ローディの間では相当な人気を博していたが、残念ながら90年代初め頃、モリ工業が買収した栄輪業に吸収されてしまった。モリ工業ははた違いの業種であるが、当時はロードチームなども興し自転車業界へと参入していた。そして、サンツアーは栄のブランドであったSRとブランド名を統合しSRサンツアーとなってその後台湾資本に売却され、現在は台湾を拠点におもにMTBパーツを生産している。今はロードとの接点はあまりない。しかし、当時のシュパーブプロを知る者には今だに根強い人気があって、現在でも愛好家が多いと聞く。
最上位機種であるシュパーブプロは、当時は角ばったデザインのシマノとは対照的にやわらかなデザインを感じさせる部品群であった。コンポーネント全体に曲線を活かしたサンツアーの部品作りは、あきらかにライバルメーカーシマノとは違っていた。まさにコンポーネント然としている連合体であるサンツアーは、個性的な開発者が多かったと聞いている。
話は変わるけれども、西日本で雌雄を争っていた両社の社風はチームにも影響を及ぼしていたのか、当時、チームの雰囲気にも同質なものが感じられた。そう思っているのは私だけだろうか。
さて、シマノとサンツアーの国内シェアに決定的な差が生じたのは、変速のインデックスシステムにあると言っても過言ではないだろう。シマノはSIS(シマノ・インデックス・システム)にはじまり、その後STI(シマノ・トータル・インテグレーション)コンセプトを打ち出し、デュアルコントロールレバーで変速の概念を覆してしまった。サンツアーもインデックスシステムのアキューシフトを投入したが、これは操作性もさることながら、デザインの面でも市場から支持を得ることができなかったのではないだろうか。
しかし、シェア争いに敗れた印象の強いサンツアーではあるが、サンツアーが日本の自転車文化に貢献した役割は大きく、また自社チームの活動を通して、国内レースの発展にも寄与したことは周知の事実である。
2005年11月20日
サンツアー
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