自転車界でも時代の主流に躍り出てきた感がある最近のカーボンブーム。自転車に使われるカーボン素材は、炭素繊維にエポキシ樹脂を混合させた炭素化合物。炭素自体は熱に対して高い耐性を持つが、カーボンを固める樹脂のほうは紫外線に弱い。カーボン素材を使用した自転車を、戸外で長期間放置しておくことは自転車の寿命を縮めてしまうことに直結する。気をつけよう。(カーボン愛用者は室内保管が原則です)しかし、UVカット入りの塗装が施されているフレームのほうは大丈夫である。
カーボン素材は、近年はフレームやホイールのみならず、ハンドルやステム、またフロントギアや磨耗が心配なリアスプロケット、はてはデリケートな素材が要求されるサドルにまで利用されている。強度的に心配なハブにもカーボンは積極的に使われている。これまでは金属で作られてきたパーツには、今やほとんどのアイテムでカーボンの模様を見ることができるが、果たしてカーボンはどこまで浸透していくのだろう。
確かにカーボン素材の硬さは鉄のような硬さではなく、弾性があり衝撃を吸収して元に戻る性質があるため、高剛性なのに疲れない理想的な素材。この素材が普及してきたことは、自転車に求められる軽さと、本来はそれに相反するべき性質ながらもより自転車に必要とされる剛性感を確保するうえで、これは時代の趨勢ともいえる。
現在は7kg台の自転車が当たりまえのように生産されているが、重量面で大きな比重を占めているのがフレームである。軽量バイクには、金属に比べて比重が小さく重量を軽く抑えられるというこのカーボンの利点が大きく作用している。そして、軽量に仕上がるカーボンフレームにも、型に入れてフレーム全体を一体成形するモノコック製法によるものと、カーボンパイプをラグでつなぐコンポジットタイプがある。
前者の製法による史上初のカーボンモノコックバイクはBianchi社のC4である。C4とは委託先のカーボンフレーム製作メーカーの名称。シートチューブを無くし、トラディショナルスタイルから一変した斬新なデザインだった。はじめて見る、曲線が印象的な、前衛的なバイクだった。
(当時の世界チャンピオン、アルカンシェルを着たモレノ・アルジェンティンがこのバイクを駆る姿はとてもカッコよかった)
しかし、現代は、LOOKをはじめとして圧倒的に後者の製造方法が多いと思う。接続ラグも、カーボンはもとよりアルミやチタンなど、その製造メーカーの特色により使用される素材は様々である。
価格の傾向としては、後者の方が高い。これは製造過程のコストが反映されているためだが、フレーム剛性感は後者の方が断然上だし、イメージ的にも剛性感を高くするフレーム作りをメーカーは多く選択しているかもしれない。時代はまだカーボンは高くて当たりまえという認識でもあるから。ただし、モノコックの価格については、金型の償却分がある程度回収されているメーカーという条件付き。
2005年11月08日
カーボン
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